2014年12月11日
「久しぶりですね」
「なんか忙しかったのよ」
「季節の変わり目はそうですから」
鈴仙が修行場に来ました。
「寒いわね。こんな日も修行してるの? 信じられない」
「こんな寒い日にこんなところに来る方も来る方だけど」
「いいじゃない。てゐも姫様もいなくて暇なんだから」
「嫌われているのですか?」
「きっ!」
「怖い怖い」
ひと通り修行が終わった後、鈴仙から衝撃的な事実が告げられました。
「今日、自分でお弁当作ってきたんだけど」
「今日のお弁当交換はなしで」
「ちょっと!」
本日のメニュー
・しいたけステーキ
・たけのこの筑前煮
・ハムカツ
・卵焼き?
・草をしょうゆに浸したやつ?
「これはなにかの皮ですか?」
「卵焼きよ!」
「これはなんですか。苦いしくきくきします」
「冷蔵庫にはいってたやつをお湯にいれてしょうゆに浸したの」
「……センスが無い!」
「なにを!」
鈴仙のお弁当はY子さんの足元どころか私よりひどかったです。
どうにもセンスがありません。
「ねえ、そのハムカツもっとちょうだいよ」
「……」
「おかえしに卵焼きあげるから」
「……鈴仙が可哀想だからあげる」
「なんかふにおちないけどもらおう」
哀れな女です。
鈴仙は哀れです。
なぜかこっちが優しい気持ちになってしまいました。
これから少し優しくしてあげましょう。