2016/02/20
三年目2
人形劇がやるというので見に行きました。
鈴仙も誘ってやりました。
本日のおやつ
・水あめ
「面白かった!」
「えー子供だましじゃん」
鈴仙は面白さをわかっていなかったようです。
本当にくずです。
「何いってんの? こういうのは、子供だましで当たり前のお話だからこそ安心して面白いんじゃない。
鈴仙はわかってない」
「いやいや、わかりきってるお話のどこが面白いのよ」
「でもわかっててもはらはらしてドキドキするじゃない」
「そう? 私はそう思わなかったけど」
「手に汗握っていたのによく言う!」
「私はそんなにおこちゃまじゃないっての!」
「まあまあお二人さん」
鈴仙と言い合いしていると声をかけられました。
お寺のネズミです。
「いいじゃないか、お話はお話でどちらの意見も肯定するよ。
相手に意見を押し付けるのは賢くない」
「は、はあ」
「どうだろう、ここは水あめを舐めて落ち着いてからまた話し合っては。
まわりの子供も心配しているよ」
人形劇を見に来ていた子供たちが心配そうにこちらを眺めています。
やってしまいました。少し熱くなってしまいました。
「まあ、そうね。鈴仙、ここは冷静になりましょう」
「……うん。わかった」
「良かった。では私はこれで。ああ、あとそこのうさぎさん」
「はい?」
「楽しめなかったら一度無理矢理にでも楽しもうと思い込むのも大事だよ。せっかくだからね。
否定はそこからでいいんだ。では」
ネズミは格好つけて帰って行きました。
「ねえ鈴仙」
「なに」
「あのネズミ人形劇見てる時、一番うるさく興奮してたやつだよね」
「うん、他の子供に混じって本気で応援してた」
「……なんか面白いね」
「うん、そうね」
なんか面白かったです。
またみに行きたいです。