2015/04/07
二年目46
「懐かしいものが出てきたわ」
幽々子様が押し入れから不思議なものを
取り出してきました。
「なんですかそれもぐもぐ」
「妖夢は食い気ばかりねえ」
本日のおやつ
・おはぎ
・栗の甘露煮
「これは幻灯機よ」
「げんとうき?」
「これで映画を見ることが出来るのよ」
「なんですって。やりましょうでも待ってください」
「なあに」
「このおはぎと甘露煮を食べてからです」
「……うん」
こういうのはひとつ終わらせてから、です。
部屋の雨戸を閉めて真っ暗にします。
「ほら」
「なるほど、ここがまわって風景が切り替わっていくのですね。
面白いです」
「懐かしいわねえ……」
幽々子様はからからと変わる風景画を
懐かしそうに見つめていました。
すごく満足そうです。
「……」
「お菓子の風景とかあればいいんですけどねえ」
「……ぶち壊しねえ」
部屋を追い出されました。
今度はもっと空気を読むようにします。