【おしらせ】07/07 特集「妖夢ちゃんのブチギレお祖父様集」更新!

2014-06-08

2014/06/08

 雨がやみましたが私の気持ちは憂鬱です。
 なぜならお使いを頼まれたからです。
 基本的にお使いは嫌いではありませんが今回は場所が場所です。
 魔法の森、ただでさえじめじめしている季節にじめじめしている場所です。
 これは嫌です。
 でも、頼まれたからには行かなくてはいけません。
 私はため息をつきつつアリスさんの家に行きました。

「ごめんください」

 ひとつ間があいて、ぎぎぎと木製のドアがあきました。
 いぶかしげな顔のアリスさん、ですが私だとわかるとすぐさま普通の顔に戻りました。
 
「ごめんなさいね、わざわざごめんくださいなんていう人珍しいから」
「なるほど」

 図々しい白黒を思い浮かべながら
 甘くない紅茶をすすりました。
 砂糖を3つ入れます。

「甘党?」
「なんでも好きですけど甘ければ嬉しい党です」
「お茶請けもどうぞ」
「おかまいなくいただきます」
「あなたそんな面白いキャラだったっけ?」
「私はわたしですがもぐもぐ」

 チョコチップクッキーはとても美味しかったです。
 やはりクッキーはさくさくに限ります。

「なるほどね。それでご主人の夏用のだき枕をひとつご所望ということで」
「今使っているのは抱いているととても暑くなってしまうそうで、涼しいやつがいいらしいです」
「私は人形師であってだき枕屋じゃないのだけれど」
「す、すみません……無理をいっているのは承知なのですが、アリスさんほどこういうことに
 適しているのは居ないと思って」
「あーはいはい。承ったわ。あなたはご主人に言われてるだけだもんね。それにお仕事ならやるわ。
 けっこういい額だし」

 私はほっと胸をなでおろしました。
 ここで断られたら他に行く宛がなかったからです。
 ここでお腹がきゅうとなりました。

「あ」
「……お腹すいたの?」
「い、いえ、それではお願いします。私はここで……」
「良かったら食べてく?」
「え」

 恥ずかしかったので帰ろうと思いましたが
 ここで嬉しいお誘いです。もちろんごちそうになりました。

 本日のメニュー
 ・しそカルボナーラ
 ・オリーブコーンサラダ
 
 とても珍しいものを食べました。
 クリームのスパゲティにしそがとても合うのです。
 こんな珍しいものは食べたことありません。

「これは美味しい!」
「よかった。リアクションが大きい人に食べさせるのはいいわねえ」
「魔理沙も大きいのですか?」
「なんでここで魔理沙が出てくるのよ」

 なんとなしに聞いたのですが、即座に反応されてびっくりしました。
 魔理沙と何かあるのでしょうか。

 そんなこんなで依頼は完璧にこなした私です。
 食後の紅茶をごちそうになって、私は帰宅しました。

「妖夢、おかえり。どうだった?」
「アリスさんちでカルボナーラをごちそうになりました!」
「……そう、良かったわね。それで、私のだき枕は」
「ああそうでした。3日ほどでできるので取りに来て欲しいそうです。
 私がまた行きますよ」
「そう……」
「何でしょう?」
「妖夢は色んな所で餌付けされてるなあと思って」

 
 なんという言い草でしょう!
 私はペットじゃないです!
 でも、アリスさんの家に行くのは楽しみです。
 今度はなにが食べられるのかなあ。